タチバナの、合理的なまいにち

将来について迷走する女子大生。テクノロジー、本、漫画が好き。

大学生、「読書時間ゼロ分」が過半数を超えた!スマホが原因じゃないなら何が原因なのか、現役大学生が考察してみた。

www.huffingtonpost.jp

一日にまったく本を読まない大学生が5割を超えた、と話題になっている。

少なくとも私の中では、大きな話題である。

中高大と本を読む友人を探し続けて早6年。未だに趣味の合う友だちは見つかっていない。昔の大学生は本を読んでいたのか、最近になって読まなくなってしまったのか。そうだとしたら、原因は何になるのか考えてみたい。

 

大学生の読書時間の推移は、以下の通りである。

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(出典:http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html)

2012年以降、読書時間ゼロの大学生が徐々に増えていることが見てとれる。

 

本を読む大学生は、昔も今も決して多くはないだろう。私の読書が趣味だと聞いて、ある友人男性Dはこう言った。

「え、本なんか読むん!? 真面目かよ!」

本を読むなんて、真面目でお堅くて変わったヤツがすること、なのである。本格的に本を読みはじめた高校以降、こういった反応をされることは珍しくない。もう慣れてしまったほどだ。だがこういうリアクションをされて気分がいいとは言いがたいので、あまりおおっぴらに読書が好きだと言うことはない。

 

上記の通りメインカルチャーでない読書がいま、さらに衰退しようとしているとマスコミは言う。それは果たして本当なのか?何が原因なのか?

読書ゼロの大学生が年々増加しているわけを、様々な観点から見ていきたい。

 

スマホが理由ではない?

www.univcoop.or.jp

この調査の一番下には、こうある。

調査年ごとの読書・スマホ・勉強時間の推移を算出し、読書との関係の有無をみたところ、読書時間減少にはスマホ時間による直接的な強い効果はみられない(効果があるといってもきわめて弱い)。

 大学生が本を読まなくなっていると聞いて、いちばんに思いつく理由は「スマホ」だろう。

四六時中スマホを触っている輩が多いからだろうまったく…近頃の若者はこれだから頭が悪くて使えないヤツが多い…

とブツクサ言うおじさんの声が聞こえてきそうである。(こんなふうに言っているおじさん自身、本を読んでいるかはなはだ怪しいと思うのだが…)

しかし、スマホの使用時間は読書のゼロ割合にほとんど影響を及ぼしていないらしい。

まっさきに犯人だと断定したくなる「スマホ」が原因でないとしたら、いったい何が原因なのか。

 

 

バイトのせいで時間がない

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(出典:http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html)

アルバイトをしている学生は、していない学生に比べて読書ゼロ割合が高いそうだ。

 

バイトのため時間がないというのは間違いではないだろう。2012年以降、アルバイトによる収入は年々増加している。日々バイトに追われ、本を読む時間なんてない。実にありそうな要因である。

しかし、バイトに追われて日に1時間さえ捻出できないような学生は、基本的にそのお金を遊ぶために使っているような気もするのだ。(経済的に余裕がないため、バイトをしないと生活が成り立たないという学生もいるだろうが。)

 

アルバイトをしているか否かによって差が出ているのは、時間以外にも理由が考えられる。このご時世、バイトをしていない大学生はかなりの少数派であろう。この学生の差は、アルバイトをしなくてもよいほど裕福な家庭と、一般家庭の違いではないのだろうか。裕福な人ほど本を読む傾向にある。さらに、親が本を読むか否かは子どもの読書習慣に大きく関係している。

(少し古いデータですがhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/08/dl/05.pdf)

 

よって、一概にアルバイトに従事する時間の増加が、本を読まない大学生を増やした原因だとは言えそうにない。

 

 

そもそも大学進学率が増えた?

大学の進学率が年々高くなっていると耳にしたので、原因はこれにあるのかと思った。実際名前さえ書けば合格してしまう大学も少なくないらしい。偏差値の低い高校生も大学に進学するようになり、相対的に読書ゼロの割合が増えたのか!?と、偏見に満ちた考えが脳裏をかすめる。

しかしどうやらそうではない。

2012年以降、大学(学部)進学率はほぼ横ばいで変化は見られない。

(文部科学省、学校基本調査より)

これでは、2012年以降、本を読まない学生が増えていることを説明できない!

 

文系の学生が減った?

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このグラフより、読書をしない大学生は、文系の学生より理系、医歯薬系の学生に多いことがわかる。よって、本を読まない学生が増えたのは文系の学生が減ったからなのでは!?

これもどうやら違うらしい。

理系文系の学生数の変化は、おもに景気に左右される。不景気で就職に不安を持つと、直接職業につながりやすい理系を選ぶ学生が増える。

しかし、2014年までは理高文低の傾向があったものの、近年は景気回復により文系人気が高まっている。(https://www.nishinippon.co.jp/feature/attention/article/305291/)

上記より、文系の学生数の変化でも説明できそうにない。

 

(あ〜〜〜〜〜、理系で本を読む友だちがほしいよう。)

 

高校までの読書習慣が原因?

生協調査の最後に、本を読まない学生が増えているのは、最近の大学生の高校までの読書習慣が全体的に下がっていることの影響が大きい、とある。

なるほど確かに高校までの読書習慣がなくなっているのなら、当然大学になっても本を読まない学生が増えるよね。

 

しかし、はたして高校時代に本を読まなくなっていることが原因なのか。

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(子どもの読書活動に関する現状と論点、文部科学省生涯学習制作局青少年教育課より引用)

3年きざみだったのが、平成26年から1年ごとになっているので少し見にくくはある。今の大学生は2012年以降、不読率の上昇が誰の目にも明らかである。

2012年の大学生が高校生だった頃、つまり2009年頃より高校生の不読率が上がっているのか。

否、とりたてて増加は見られない。特に、今問題となっている2012年から2017年の大学生が高校生だった頃、2009年から2014年にかけて、高校生の不読率は5割程度で安定している。

高校時代に本を読む習慣がなくなっていると結論づけた人は、どこのデータを見たのだろうか。

少なくともこのデータからでは、高校生の不読率の増加を大きな要因とすることはできそうにない。そもそも、今の大学生が高校生時代に本を読まなくなったことが原因だったとしても、それがなぜなのかを聞いているのでは?

なんで遅刻したの?の問いに、家を出るのが遅れました、と答えているようなものではないのか。

 

 

どうしても、コレといった原因が見当たらない。

明らかに本を読まない大学生は増えているのに。はたして、何が本を読まない大学生を増やしているのだろうか。

 

以下、私の推論にはなるが、読んでみてほしい。詳しいデータを当たったわけではないので軽く受けとめてもらいたい。

 

インターネットの普及により、勉強としての読書が消滅した

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私がこのデータを見たとき、いちばんに抱いたのが「読書する人って、むしろこんなに多いの?」という感想であった。2010年頃の数字を見ても、一日に30分以上本を読む大学生が、5割程度いる!生協のアンケートに答えるような学生だから、比較的教養に興味があったりするのかな、とも考えたが、それにしても多い。

ここからは推論になるが聞いてほしい。この「読書」には、大学の授業関連の読書も含まれているのではないだろうか。例えば、授業で課されたレポートを書くにあたって読まなければならない本がある、などだ。

2011年以降、一般の人たちのあいだでインターネットが広まっていった。ちょうど、日本でiPhone4Sが発売された頃である。

それにより、多くの情報がインターネットを介して得られるようになった。

大学生ももちろんそうである。レポートを書くときに、書籍を読んで情報を得なくても、インターネットで検索すれば、ほしい情報が容易に手に入るようになった。むしろ、データを探さずに「コピペ」することでレポートを完成させる学生も増加しただろう。こうして調べ物としての読書が姿を消してしまった。

それにともない、もともと読書習慣のない大学生にとって、本を読む必要性が完全になくなってしまったのではないだろうか。

 

趣味としての読書を習慣とする人は、今も昔も多くない。現に、日に1時間以上の読書をする学生の割合にたいした変化はない。

 

読書が好きではない大学生が、インターネットの普及により本を読む必要がなくなった。

 

これが私の仮説である。皆さんはどう考えますか。

 

 

まとめ

スマホ、アルバイト、高校生時代の読書習慣、インターネットの普及。

娯楽が多様化して、趣味としての読書が減ってきたという意見もあるだろう。(それなら携帯電話が普及した瞬間に、読書は、メール交換に惨敗しているはずだろうけど。)他にもいろんな意見があるだろう。

 

大学生の読書時間ゼロ割合が増えたのは、様々な要因によるもので、これが原因というわかりやすい結論は挙げられそうにない。

面白い要因を、思いついた方がいればぜひ教えてほしい。

 

 

最後に「大学生の読書離れ」は若者をさらにアホにしてしまうので、大至急改善しなくてはならない、のだろうか。

 

 

最後に

若者の読書離れ、と聞いて「情けない」と感じる方は少なくないだろう。

事実、私の父も「情けない」とこぼしていたうちのひとりだ。

 

だがしかし、読書をしない大学生が増えているからといって、決して文字を読まなくなったということではない。むしろ、手軽にインターネットメディアを読むことができるようになった今、大学生が日々触れる活字の量は10年前とは比にならないくらい多い。

大学生は日々情報を手に入れ、それをもとに生活する。

「読書離れ」が危険視されてはいるが、イコール「活字離れ」、ではないことをしっかりと覚えていてほしい。

 

 

 

 

インターネット上の情報は質という観点では、書籍に劣る。私個人としては、本を読んだ方が圧倒的にお得だと思ってしまうのだが。

本って「コスパ」最強じゃん卍卍卍

と、大学生がみんな思うようになればいいのになぁ。